おねえちゃんのくつと ぼくのねがいごと

おねえちゃんのくつと ぼくのねがいごと 家族と人間関係
おねえちゃんのくつと ぼくのねがいごと
【今日のお話のポイント】
だいすきな人のことを思って、やさしくすること。
言葉がなくても、やさしさはちゃんと伝わるんだよ。

むかしむかし、ある町に、おねえちゃんのハナと、おとうとのヤコというきょうだいがすんでいました。
ふたりはちいさいころにお父さんとお母さんをなくしてしまい、ちいさな家でふたりきり、力をあわせてくらしていました。

ハナは毎日、まちのふくやさんで朝からばんまでがんばってはたらいて、ヤコが学校へ行けるようにしていました。ヤコは10さい。まいばん寝るまえに、そっと心のなかでおいのりをしていました。

「神さま、おねえちゃんのあしが、あしたもいたくなりませんように。」

というのも、おねえちゃんのくつはもうボロボロで、あめがふると、くつしたまでびしょぬれになってしまうほどでした。

ある日、ヤコの学校で「たいせつな人に手紙を書いてみよう」というじゅぎょうがありました。
ヤコはまっすぐ家にかえると、やぶれかけたメモちょうに、ゆっくりと字を書きました。

「神さまへ。おねえちゃんに、新しいくつをください。ぼくのおこづかいと、いつものおいのりをぜんぶあげます。」

そのよる、ヤコは手紙を小さな木のはこにいれて、家のうらにあるおねがいの木のしたにうめました。
だれにも見られないように、そっと手をあわせてから、にっこりして家にもどりました。

つぎの朝、おねえちゃんが目をさますと、いつもドアのところにあるボロボロのくつが見あたりません。
かわりに、小さなふくろがそっとおいてありました。

ふくろの中には、新しいちゃいろいくつと、きらきら光る文字でこんなメッセージが書かれていました。

「やさしい気もちとねがいは、きっととどきます。」

ハナはびっくりして、思わず目に涙をためました。
ふりかえると、ヤコがちょっとはずかしそうにニコッと笑っていました。

その日、おねえちゃんの足どりは、ふわふわと軽くて、まるで空を歩いているみたいでした。

💭 いっしょにかんがえてみよう
ヤコは、どうして「くつをかって」とおねえちゃんに言わなかったのかな?
ことばを使わなくても、だれかにやさしくするにはどうすればいいと思う?

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