・時間はお金と同じ「大切な資産」
・遅刻や先延ばしは、見えない損を生む
・時間の使い方は、信頼や未来につながっていく
町のはずれに住むソウタは、のんびり屋でした。
朝はいつも「あと5分」。
宿題も「あとでやる」。
約束の時間も「まあ大丈夫だろう」。
ある日、ソウタは町の工房に呼ばれました。
道具を作るお手伝いをすると、おこづかいがもらえる仕事です。
「朝の鐘が鳴ったら来なさい」
そう言われたのに、ソウタは思いました。
(少しくらい遅れてもいいよね)
その朝。
ソウタはゆっくり準備をして、鐘が鳴ってから家を出ました。
工房に着いたとき、すでに中は忙しそうでした。
親方はちらっと時計を見て、言いました。
「今日はもういい」
「仕事は終わった」
ソウタはあわてました。
「え? まだ何もしてません!」
親方は静かに答えました。
「時間は、待ってくれないからね」
ソウタは、手ぶらで帰りました。
お金も、仕事も、ありません。
数日後。
今度は友だちのミナと一緒に、市場に行く約束をしました。
「朝一番がいいよ」
「安くていいものがあるから」
ソウタはうなずきました。
でも、当日もやっぱり「あとで」。
市場に着いたとき、ミナはがっかりした顔をしていました。
「もう売り切れちゃった」
「早い人が、全部買ったんだって」
ソウタは胸がチクっとしました。
(まただ)
そのとき、近くにいた年配の人が、二人に声をかけました。
「時間の話をしているのかい?」
二人がうなずくと、その人は言いました。
「お金は失っても、取り戻せることがある」
「でも時間は、一度逃げたら戻らない」
ソウタは聞きました。
「でも、時間って見えないですよね?」
「だからこそ、大事なんだよ」
「見えないから、軽く扱ってしまう」
その人は続けました。
「遅刻は“時間の借金”」
「先延ばしは“未来から盗むこと”」
ソウタはドキッとしました。
家に帰ってから、ソウタは考えました。
今日、失ったものは何だったのか。
・工房の仕事
・おこづかい
・友だちとの約束
・信頼
全部、時間のせいでした。
次の日。
ソウタは早く起きました。
鐘が鳴る前に、家を出ました。
工房に着くと、親方は少し驚いた顔をしました。
「今日は早いね」
ソウタは言いました。
「時間を大事にしたいと思って」
親方は、うなずいて言いました。
「それなら、任せたい仕事がある」
その日、ソウタは一日働き、
少しのお金と、大きな満足を持ち帰りました。
帰り道。
ソウタは気づきました。
時間は、ただ流れているものじゃない。
どう使うかで、
・信頼
・チャンス
・未来
が変わっていく。
「あとで」は、便利な言葉だけど、
使いすぎると、大事なものを失う。
それ以来、ソウタは
「今できることは、今やる」
そう心に決めました。
時間を味方にすることは、
自分を大切にすることなのだと、知ったからです。
1) ソウタは、何を「時間」で失っていたと思う?
2) 「あとでやる」が役に立つときと、損になるときの違いは?
3) あなたが今日から大事にしたい時間は、どんな時間?



コメント