・問題にぶつかった時、諦めずに色々な角度から考えてみること
・身の回りにあるものが、意外な解決策になることがある
・みんなでアイデアを出し合うことの大切さ
むかしむかし、ある村に、とても好奇心旺盛な少年がいました。名前はリク。リクは、古いものや謎めいたものが大好きで、村のはずれにある古いお屋敷跡をよく探検していました。
ある日のこと、リクは屋敷の地下室で、錆びついた大きな宝箱を見つけました。
「わあ!これは一体なんだろう?」
宝箱は古びてはいましたが、しっかりとした作りで、とても頑丈なカギがかかっていました。ところが、周りをいくら探しても、そのカギは見つかりません。
リクは宝箱を開けたくてたまりません。
「きっと、中に何か素晴らしいものが入っているに違いない!」
彼は宝箱を家まで運び、家族や村の人たちに相談しました。
「誰か、この宝箱を開ける方法を知りませんか?カギがどこにもないんです。」
村の大人たちは首をかしげました。
「こんな古い宝箱、カギなしで開けるなんて無理だよ。」
「壊すしかないんじゃないか?」
しかし、リクは宝箱を壊したくありませんでした。宝箱自体も、もしかしたら大切なものかもしれないと思ったからです。
そこで、リクは村の賢者として知られるおばあさんに相談に行きました。おばあさんは、どんな難しい問題も、穏やかな笑顔で解決のヒントをくれる人でした。
おばあさんは宝箱をじっと見て、リクに尋ねました。
「リク、この宝箱は、どうして開かないんだい?」
「カギがかかっているからです。」とリクは答えました。
「そうじゃね。では、そのカギは、何のためにあるんだい?」
リクは考えました。
「えっと、宝箱の中のものを守るため?」
「その通りじゃ。では、カギがなくても、中のものを守る目的が果たせるなら、開けても良いということになるのかい?」
リクはまた考えました。
「……そうかもしれません。」
おばあさんは微笑んで言いました。
「カギがなければ開かないと決めつけず、どうすれば目的を達成できるか、別の方法で考えてごらん。そして、周りのものもよく見てみるのじゃ。」
リクはおばあさんの言葉にヒントを得て、家に帰ってまた宝箱をじっと見つめました。カギがないなら、どうすればいいんだろう?
彼は、宝箱の周りを何度も何度も観察しました。すると、宝箱の裏側に、小さな隙間があることに気がつきました。それは、とても細くて、指も入らないほどの隙間です。
(この隙間から、何かできないかな?)
リクは家の中を見回しました。そして、ふと、テーブルの上に置いてあった細い針金に目が留まりました。
「これだ!」
リクは針金を手に取り、宝箱の隙間にそっと差し込みました。針金は細くて長く、彼は器用にそれを操りました。
最初はうまくいきません。何度も何度も失敗し、針金が曲がってしまったり、手が滑ってしまったり。それでもリクは諦めませんでした。
(もう少し…もう少しで、カギの仕組みに触れるはず!)
汗をかきながら、リクは集中しました。そして、ある瞬間に「カチッ」と小さな音がしました!
「やったー!」
リクは歓声を上げました。宝箱のカギが、見事に開いたのです!
中には、古びた地図と、きらめく石が一つ入っていました。それは、リクが想像していた以上に、不思議で魅力的な宝物でした。
村人たちは、リクがカギのない宝箱を開けたことに、心底驚きました。
「まさか、そんな方法があったとは!」
「リクのひらめきと根気強さには感服したよ!」
リクは、おばあさんの言葉を思い出しました。
「カギがないから開かないと諦めるのではなく、どうすれば目的を達成できるか、別の方法で考えてみること。」
リクは、宝箱の宝物だけでなく、「どんな困難な問題でも、諦めずに工夫すれば道は開ける」という、もっと大きな宝物を手に入れたのでした。
1) リクは、なぜ諦めずに宝箱を開けようとしたのかな?
2) カギがない宝箱を開けるために、リクはどんな工夫をした?
3) あなたがもし難しい問題にぶつかったら、どんな風に考えて解決しようとする?



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